白箱のスターチス

11/16
前へ
/16ページ
次へ
+++ 右腕が真っ赤になっている事に気付いて、僕はびっくりして大声を上げた。起き上がろうにもベルトが邪魔で起き上がれない。どうしよう。怖い。怖い。血が怖い。ここはおかしい。ここは暗くて危険な場所だ。逃げなきゃ。でも僕は待たなきゃいけない。どうしたらいいだろう。僕の声を聞いて女の人が駆けつけてきた。僕の真っ赤な右腕を見て小さな悲鳴を上げると、今度は溜息を吐いた。 「痛くなかったですか?ちょっと拭くもの持ってきますからね。」 女の人は繕ったような笑顔を向けて僕にそう言うと、僕の左腕を紐で縛ってからカーテンを閉めて出て行った。僕は、いつまでここにいなければいけないんだろうか。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加