第1章

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 あの女性がいた。 「は」  七階の窓。その向こうに、こちらを見ている女性がいた。  それは、アパート暮らしをしていた頃の、あの女性だった。  疑問符がアホみたいに並び、強烈な恐怖が全身を襲う。もちろんだが、向かい合わせになる建物は存在しない。 「なんで?」  俺の問いに、彼女は答えない。  ただ、こちらをじっと見続けている。 (了)
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