赤の他人と異世界生活はキツいものがある。

召喚されたのですが、聖女の言葉が分かりません

　───よくある異世界転生、転移、あるいは召喚ものと言えば、道中幼馴染みと親友で歩いてると親友の召喚に巻き込まれ三人とも行ってしまう話や、クラスごと召喚される話、トラックに轢かれて死んだら異世界に転生してしまう話、扉を開けるとそこは異世界になっていた話等がある。

　とにかく共通することといえば、知っている人と一緒に、もしくは一人で異世界に転移、転生と召喚されたりしていることだ。

　実は言うと、大学二年生である俺は今この状況をかんがみると異世界に転移してしまったらしかった。

　知らない部屋に......知らない床の質感や床に描かれている意味不明な文字達に......知らない人達に囲まれているこの状況。

　創作物を日々嗜んでいた俺は黙考すること数十秒で召喚されたことが理解できた。

　確か、俺はいつものように講義を受けていたら昨日徹夜のせいなのか寝てしまって......そこからの記憶は皆無だ。

　死んだわけでもないし、魔方陣など現れなかったし......俺は肉体を残して魂だけを引き抜かれたのではないだろうか。

　いや、そんなことはどうでもいい。

　まずは状況を整理しよう。