9. ララバイ

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 山際に入り、道は少し上り坂になった。  船に船員と料理長たちを残しているので、サインシャンドを出発した全員が遺跡へと向かっていた。  そこにこのレハルドの町長とその従者、レオやキーラ達も続いている。 「遺跡は洞窟の中なのよね? こんなに大人数が入れるのかな?」   「町長の話では洞窟は広いらしいぞ。屋敷もすっぽりと入るくらいの大きさだと言っていたな」 「そうなんだ」  ユキが驚いて声をあげた。  そんなに広い場所に石版があるのね……。 「見えて来ましたよ」  前方を行く町長のクジマがユキ達に声をかけた。  山道の途中だが生い茂る木々の間にぽっかりと草地が広がっている。 「あそこです」  クジマの指さす方を見ると、がけ下に大きな洞窟の入り口が見えた。  崖の下に下りる小さな道が草地から下へと作られていた。    一列になって崖下へと下りて行く。
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