9. ララバイ

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 洞窟に着くと、既に中には篝火が焚かれていた。近づくと、トンネルくらいの広さの入り口に見える。    そんなに広くは見えないけれど……    辺りをを見回しながら中へ入って行く。    洞窟の中から涼しい風がヒュウッと吹いて来て心地がいい。    後ろにいたサラナが「きゃっ」と声を上げ腕をさすっている。  余程寒いようだ。  ふとその後ろにいた遠藤と目が合った。遠藤も風を受け心地よさそうな顔をしている。    ユキと目が合うと、微笑んだ。 「こちらです。もうすぐです」  クジマの声が洞窟の中で響く。  後に続いていくと、突然大きな空間に出た。  ドーム球場の様に広く、天井も高い。  上には穴が開いている場所があるのか、いくつか光の筋が下りてきている。  足元は砂交じりの土だ。  伸びてきた光の筋にキラキラと砂が輝く。 「凄いわね。きれい……」  ユキが光の筋を眺める。横のアルスもそれを見ている。
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