85人が本棚に入れています
本棚に追加
一瞬目を見開いたノリ姉だったが、「いいよ」と笑顔で快諾してくれた。
ほっとした。
帰りの時間のことも考えるとあまり遅くなると困ると思い、商店街を後にした。
最寄りのインターから高速道路に乗り、家を目指した。
「さっきは急な話だったのにオーケーくれてありがとう」
「ううん、お父さんにはお会いしたことあったけど、お母さんがわたしに会いたがって下さってるって嬉しいから」
「なんか色々聞かれるかもだけど、適当に答えといて」
「ふふっ、そんなの無理だよ。ちゃんと答えます。
……それでね、賢くん……」
ノリ姉の声のトーンが少し暗くなったような気がした。
「なに?」
「わたしが恋人を作らなかった理由なんだけど……」
最初のコメントを投稿しよう!