これからもずっと貴女と

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 一瞬目を見開いたノリ姉だったが、「いいよ」と笑顔で快諾してくれた。  ほっとした。  帰りの時間のことも考えるとあまり遅くなると困ると思い、商店街を後にした。  最寄りのインターから高速道路に乗り、家を目指した。 「さっきは急な話だったのにオーケーくれてありがとう」 「ううん、お父さんにはお会いしたことあったけど、お母さんがわたしに会いたがって下さってるって嬉しいから」 「なんか色々聞かれるかもだけど、適当に答えといて」 「ふふっ、そんなの無理だよ。ちゃんと答えます。  ……それでね、賢くん……」  ノリ姉の声のトーンが少し暗くなったような気がした。 「なに?」 「わたしが恋人を作らなかった理由なんだけど……」
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