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暑気払いの飲み会の時に知った、ノリ姉が人妻じゃなかったことと同時に恋人を作りたがらないということ。
ノリ姉も手紙には、ある出来事で恋をすることも恋人を作ることも避けていたと書いていたが、まだその出来事というのは聞いていなかった。
こうやってオレと恋仲になったから、もうどうでも良くなっていたけど、頭の片隅で気になることではあった。
「うん。どうしてかなって思ってたけど、オレはノリ姉が好きだし諦められなくてアタックした」
「ふふっ、お姉ちゃんの強引なセッティングで初めてデートっぽいことしたよね。恋人気分を味わってって言ってくれて……」
一息吐いてノリ姉は続ける。
「恋人を作らなかった理由はね……怖かったの。大事な人をこれ以上作って、失ってしまうということが怖かったの」
━━━━姉は事故で恋人を亡くし、シングルマザーになった
━━━━それは自分のせいだ
━━━━姉と陸都を支え守っていくのは自分しかいない
━━━━でもそれは都合のいい言い訳で
━━━━本当は、自分が恋人を作って、その大事な人を失ってしまったらと思うと怖くて作れなかっただけ……
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