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ノリ姉が胸の内を話してくれた。
どんなに辛かっただろうか。
お姉さんもノリ姉も。
ノリ姉は悪くないはずなのに、目の前で事故を目撃したことによってトラウマになってしまったのか。
「休憩しようか」
オレは次のサービスエリアに入り、車を停めた。
ドリンクを買って、そばにあったベンチに座った。
ペットボトルのお茶を一口飲んで彼女がまた話し始める。
「姉がね、背中を押してくれたの。
恋人が事故に遭ったのはわたしのせいじゃないって。いつかは誰しも亡くなる、怖がってちゃダメだって。
姉は何でもお見通しだったんだよね。それから『もしも』を恐れず受け入れようって考えるようになったの。
賢くんのことはもう気になる存在だったし」
ノリ姉が儚く微笑む。
「へっ?いつから……」
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