それからというもの

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 真っ先にやったことと言えばレンジュ君へのお詫びでした。私は怪我の治ったレンジュ君と一緒にお菓子を作り、楽しく過ごしました。  そして―― 「お師匠様! お礼のお茶です!」  その次にすべきは、もちろんお師匠様にお礼!  私にできることと言えば一番にお茶だったから、お師匠様の好きなブレンドのお茶を用意して、レンジュ君と一緒に作ったお菓子の一部とティーセット一式を抱えて、お師匠様のお部屋にお邪魔したのです。 「……来たのか。お前には朝に宿題を出したはずだがな」 「へへー、実はそれもこなしましたよ! お師匠様がいない間に、ローランさんにびしばし叩き込まれた部分でしたからねっ」 「ローランに?」  おや? お師匠様なぜか不機嫌になったような。  うんでも、お師匠様って大抵不機嫌だよね。気のせい気のせい。 「さ、お茶でも飲んで休憩なさってください」  こぽこぽといい音を立てながらお茶を淹れます。うーんいい香り。つるりとした白い陶器のティーカップの美しさと相まって、最高のお茶の出来です。 「……ふん」  お師匠様はお茶にお礼なんて言いません。でもいいんです、今回は私からのお礼ですから。  私はティーセット一式を近くに置かせてもらい、改めて頭を下げました。     
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