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コロコロととなりのセキセイインコたちが笑いだしました。
「鳴けないカナリアだって。鳴けないカナリアなんかに用はない。カナリアは美しい声が命。私たちはカナリアのように歌えないけれど、色とりどりの羽がある」
それを聞いていたジュウシマツたちはいっせいにわっと笑いました。
オウムがそれを制するように言います。
「ただ飯食らいのカナリア。俺には人の言葉を話す頭の良さがある。なんの役にも立たない哀れなカナリア」
白ブンチョウの二羽もキュルンと笑いました。
そしてまた他のカナリアたちが競争するかのように高くさえずり始めました。
カナリアはそれを聞きながら返す声もなく、止まり木の上で数回足踏みをしただけでした。
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