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「そうですか。
この子の周りは不良みたいな根暗な連中ばかりだったもんで、お前さんのような普通の同級生の友達がいると知って安心しました。今後とも目をかけてやってください。親後さんに代わって宜しくお願いします」
と、偉く丁寧にお辞儀されたので、私は慌てて居住い正してお辞儀をした。
「こちらこそ、彼には助けて貰ってるんです。お互い様だと思って付き合ってます。宜しくお願いします」
私がそう言い終わる頃には、おじさんは陵平の頭をぐしゃぐしゃっと撫でていた。
「いやぁ・・・安心した。お前のことをどれほど心配してたか・・・」
そう言いながら、おじさんの目には微かに光るものがある。
すごく良い人なのだということは十分に伝わってきた。
「昌平さんの墓前に報告してやりたいよ」
その台詞を聞いた瞬間、陵平はハッという顔をして私を見た。
何が問題なのかすぐにはわからなかった。
「まどか・・・。墓前って・・・」
真っ白な顔色の陵平が口をパクパクさせて訴えてくる。
私は直ぐには理解できなかった。
墓前報告とはつまり、もうこの世にはいないということじゃないのか。
「じいちゃん・・・そんな・・・いつ死んじゃったんだ?」
「?」
大家さんのおじさんは訝し気に私と陵平を見比べた。
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