第8章 真実の記憶

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ろれつが回らない口調で、異常につり上がった目じりと唇の端が耳の傍まで引き上がっている。 こんな酷い顔のゆがみは今まで見たことがないほどだ。 私は生唾を飲み込んだ。 「俺は絶対にお前をモノにする」 おぞましいにきび面が迫ってきて、私の首筋を舐めまわした。 その時だ。 胃の辺りに強烈な熱を感じた。 その熱は塊となって込み上げてくる。 物凄い速さで押し上がってきた。 喉元にくると更に固く長く蠢いたような感覚がした。 私はなるがままに口を大きく上げて天を仰いだ。 それは真っ直ぐに突き上がって飛び出したかと思うと、黒く長い蛇のように身をよじりながら地を這っていく。 嘔吐感覚と身震いに襲われながら、私はやっとの思いで目を凝らした。 まるで蛇そのものだった。 「ひ、ひえぇぇぇ」 と、すぐ耳元で悪臭交じりの悲鳴が上がる。 ぐわんぐわんと音が割れそうだ。 意識が遠のきそうだ。 視界には霞がかり、まだら模様に滲んだ景色の向こうから男達の怒号と悲鳴が入り混じった音が届いてきたが、まるで小さな穴に引き込まれるように静寂の世界に落ちた。
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