第8章 真実の記憶

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「としきが生きてる?」 「彼のことを知っているのかね?」 「・・・はい。この子の・・・父親です」 「そうか。じゃ、明日にも会えるだろう。彼はこの病院にいるよ。 意識はあるにはあるけど・・・、酷い怪我をしていてしゃべれないようなんだ。 両手両足ともに骨折していて・・・。 惨いことをできたもんだよ、まったく。 でも。なぜだ? なぜ君たちだけが助かったんだ? なぜ他の連中は殺されたんだろう? 君は何か見たんじゃないか?」 「・・・え・・・殺された・・・そんな、まさか・・・」 「落ち着いて、今夜はもう休んだ方が良い。悪かったよ。私はまた明日出直してくるから。 じゃ、看護師さんお願いします」 刑事はそう言うと、背中を向けて部屋から出て行った。 「大丈夫?あなたの手は血なんかついてなかったわ」 看護師がそう言うと、うっすらと笑みを浮かべながら部屋を出て行った。 一人の静寂の中で、ふと視線を感じた気がした方に目を向けると、そこにあの黒くて長い蛇が窓の外を這い上がっていくのが視えた。 「まどか」 飛び起きた。 陵平の顔がそばにある。 そうだ、私はまたトリップしていたのか。
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