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「予定?・・・まあ今日はクリスマスだからな。あいつモテそうだし」
「きっと今頃、可愛い女の子と飯でも食ってるんでしょうね」
「じゃあ今ここにいるのは、モテない男たちってことだな」
「やめてくださいよー。僕はともかく、堀江先生はモテモテですって。ね、先生」
「そんなことありませんよ」
磐木先生の言うことは間違っている。
あいつは今頃、Kビルの前にいるはずだ。
来もしない俺を待つために。
バカな男だ。
「あれ?寒いと思ったら、雪降ってんだな」
大門先生が窓を開ける。
そこには白いものがはらはらと降り始めていた。
「うわ、大門先生、閉めてくださいよー寒い寒い」
「なんだよ磐木、これくらいで寒がるなって」
「いや先生ジャケット着てるでしょ!なに偉そうに言ってんですか」
確かに、寒かった。
窓から離れた席の俺でも、冷気を感じるくらいだ。
でも、雪が降ってくれて助かった。
これならば藤原も早々に帰るだろう。
俺は再び、手を動かしはじめた。
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