愛して、先生 lack of skill

6/28
前へ
/28ページ
次へ
「予定?・・・まあ今日はクリスマスだからな。あいつモテそうだし」 「きっと今頃、可愛い女の子と飯でも食ってるんでしょうね」 「じゃあ今ここにいるのは、モテない男たちってことだな」 「やめてくださいよー。僕はともかく、堀江先生はモテモテですって。ね、先生」 「そんなことありませんよ」 磐木先生の言うことは間違っている。 あいつは今頃、Kビルの前にいるはずだ。 来もしない俺を待つために。 バカな男だ。 「あれ?寒いと思ったら、雪降ってんだな」 大門先生が窓を開ける。 そこには白いものがはらはらと降り始めていた。 「うわ、大門先生、閉めてくださいよー寒い寒い」 「なんだよ磐木、これくらいで寒がるなって」 「いや先生ジャケット着てるでしょ!なに偉そうに言ってんですか」 確かに、寒かった。 窓から離れた席の俺でも、冷気を感じるくらいだ。 でも、雪が降ってくれて助かった。 これならば藤原も早々に帰るだろう。 俺は再び、手を動かしはじめた。     
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加