愛して、先生 ~壊れた欠片

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「堀江先生・・・」 藤原が近づいてくる。 壁に背を付け、俺は必死に首を横に振った。 「いきなり入れたの、嫌でした?」 「・・・っ」 「それとも、俺・・・強くしすぎました?」 「・・・・・・い」 「ん?」 「・・・・・・怖い」 そう、怖くて仕方が無い。 ・・・自分が。 こいつのことを受け入れ始めている身体、 何をされても感じてしまう身体、 そして、 もっと欲しがっている心が・・・・・・怖い。 「・・・堀江先生」 こいつだって、いつか裏切る。 この温かさは、いつか無くなる。 藤原のことだけしか考えられなくなったときに、 こいつに裏切られたら・・・どうすればいい。 「そっか、すみません。俺が間違えていました」 「・・・・・・」 「ちょっと甘いこと、いいすぎましたね。俺には・・・アレがあるのに」 藤原の声色が変わる。 冷たく低く、尖った色に。 「堀江先生、壁に手ついて、こっちにお尻向けてください。続き、しますから」 「あ・・・」 「早くしてください。でないとあの画像・・・公開しますよ」 その脅しの言葉に、安堵感を覚える。 心が落ち着いていく。 そうだ、それでいい。 「ひっ、う、あああ・・・」 「・・・っ、く、すご・・・、さっきより、キツ」     
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