愛して、先生 ～壊れた欠片

「ほ、堀江先生は・・・その」
「はい」

「・・・藤原先生とは、どういう関係・・・ですか」

一瞬、何を言われていたのかわからなかった。
今でもわからない。

藤原と、どういう関係か？
まさか宇佐美は・・・

いや、俺が思っているような意図の質問ではないはずだ。

俺は心音が早くなるのを無視して、冷静に答える。

「そうですね。先輩と後輩の関係というのが正しいと思います。それが何か？」
「先輩と、後輩・・・」

宇佐美はその言葉を呟きながら、
また俯いてしまった。

なんだ、いったい。

「私が言えるのは以上です。藤原先生に関してはご本人から直接――」
「・・・き」
「え？」

「――嘘つき」

憎しみの篭った声と同時に、
宇佐美は顔を上げる。

その目が、濡れていた。