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俺が正気に戻ったのに気がつくと、俺の身体をそのまま腕に収めた。
「ふ、ふじ、わら・・・先生?」
「何を考えているんですか?」
優しい声。
背中を撫でる手。
・・・まただ。
クリスマスのときと同じだ。
こいつの温もりが、
俺が感じる痛みを、少しずつ消し去っていく。
「これは、堀江先生への贈り物ですよ。バレンタインの」
「ち、違う・・・これは」
「そうですって。あ、そういえばさっき、堀江先生言ってましたよね。
自分宛の贈り物は、人に渡さないって」
「な・・・」
藤原は、俺の背中をポンポンと叩く。
そして、耳のすぐ近くで・・・
「せっかく貰ったんだから・・・・・・使いましょ、これ」
甘い声で、囁いた。
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