愛して、先生 ~解けた欠片

6/49
45人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
「んん・・・っ、はあ・・・はぁ、は・・・ぁ」 「・・・は、ぁ」 「はあ、はあ・・・・・・ど、どうして?堀江先生」 潤んだ瞳で、掠れた声で、 藤原が尋ねる。 「あんな風に俺を引っ張ったら、みんなに怪しまれるじゃないですか」 「・・・・・・はい」 「堀江先生を脅している奴だって、見ているかもしれないのに」 「承知しています。ですが・・・」 ――藤原に、触れたかった。 あのとき、本当は気がついていた。 2週間前に、電話で擬似セックスをしたあの日。 『堀江先生に・・・会いたいよ』 『堀江先生に会って、触れて、抱きしめて、キスしたい』 『堀江先生の声、感触、匂いとか全部、全部・・・身体で感じたい』 藤原は、泣きながら思いを口にした。 だけど、泣かないだけで、口にしないだけで、 俺も・・・同じ気持ちを抱えていたんだ。 「・・・望月先生の診断によると、俺は」 「は・・・はい」 「・・・・・・俺はお前に、依存しているらしい」 「い・・・そん?」 驚く藤原の頬に、唇を当てる。 「この行為は、その禁断症状・・・みたいなものだ」 「堀江先生・・・」 そう、俺がお前を求めるのはすべて、 禁断症状によるものだ。 好きだからではない。 ・・・決して。 「・・・だめ、です。俺・・・我慢、できなくなる」     
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!