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くるしまぎれにユーヴェラプタル川のとうめい度の高い水の底をのぞいてみる。
するとそこには、小さな小魚が気持ちよさそうにおよいでいた。その魚は、少しとうめいがかっていて、たてじまがあったりてんてんのもんようがあるので、たぶんフルラレシラウトかコロラレシラウトだろう。
しかし、その魚をみてぼくの口から出た言葉は、まったくちがうことばだった。
“あ、ミズクラゲノヨウナヤマメやホタルイカノヨウナイワナだ。本来はアマノハシダテノタモトガワの上流いきにしか生息しないって言われているけれど、まだまだこんなところにもいるのね。
ここの水はまだ、とうめいで美しくたもたれているけれど…。”
たぶん、ぼうえきかなんかで、ヒガンの国にもこのフルラレシラウトやコロラレシラウトがとどけられるのだろう。
ヒガンの国の女性は、ぼくの口をかりて、自国のことばでこれらの魚の名前をとなえたようだ。
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