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“プリモルさん、ゲータさん、その大ガメはわれわれヒガン国にとっての聖じゅう、コガネノコウラです。
おそれることはありません。
この神のけしんが、かならずやあなたがたを、われわれのいるヒガン国までみちびいてくれることでしょう。
さあ、うずの中心へととびこむのです。”
そう言われると、不安はぬぐいきれなかったが、その声に、そして聖なるけもののみちびきにどうしてもつきしたがわなければならないような気になり、ぼくらはなんとかしてかじをあやつり、うずの中心へとまっすぐにつきすすんでいったのであった。
くしくも、そのときすでに、あたりはすっかり暗くなり、なみだいろの三つ目の太陽はとうに消えうせ、七つの月がすべてそろい、しかも空のかがみに神聖なる大ガメのうつしみがうつったようにまあるい黒びかりする太陽が出てきたころだった…。
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