ユーヴェラプタル川とたましいのたもと

ユーヴェラプタル川とススラプタンの民

　たんなるうわさにしかすぎないけれど、どうやらヒガンの国はすべてのたてものが黄金(こがね)色にかがやき、赤やら青やら黄みどりやらごくさい色にいろどられた動物や植物がゆうがにいのちを育んでいるらしい。

そして大きな大きなわらの家の中に暮らすヒガンの国の人々は、七色にかがやくシルクの着物をまといながら、かれかのじょらの先ぞをうやまうためのふしぎで美しいおどりをおどるらしい。

そんな神話のようなうわさ話を当時の年長の子どもたちから聞いて、ぼくらがまだ年少だったころの同年代の子どもたちは、一度でいいからいつかヒガンの国の美しいすがたをおがみたいものだと、ひそかにその思いを強めていったものだ。