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気づけば、いつしかぼくらが年長組として、年少組のおさない子どもたちに、かつてぼくらがむねをおどらされた伝しょうを、しんみょうに語りはじめたのだった。
ぼく以外の年長組の子たちは、年少の子どもたちが、おさないころのぼくらよりもっと、どきどきわくわくと心をはずませて聞いてくれるように、各自いろんなくふうをして、話にいろいろなバリエーションを加えていったのだけれど、それはしょせんはすぐにつくり話とわかるというようなものらしい。
もちろんぼく自身も、ヒガンの国の物語を、年少組の子どもたちに語り聞かせているらしいのだが、ぼくは、ぼく自身が語ったという物語のくわしい中身を知らない。
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