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王の配偶者の部屋。ルピスの前に、王を除く王族が勢揃いしていた。
初めてここに来た日、エシャムサタムを一番手に続々と王族が噂の王の番を見にやってきた。なので、初対面はすでに済ませている。
それぞれがルピスの元を訪ねて過ごすことはあったが、こんな勢揃いは初めて。エシャムサタムの声かけによるものだ。
「じゃあ、ラサから」
ラサマミリマは女の王族。褐色の肌に揃いの温かい茶色の髪と眼をしている。44歳だが、エシャムサタム同様若々しい。重ねた年が艶やかな色気となり、この世の老若男女を虜にする美女だ。
肌の露出が多く、鎖骨や肩、胸元や腕を出している。手首から足首まで隠す男とは大違い。布も透け感のあるものや煌びやかなもの、色鮮やかなものを使い、露出した肌はラメとアクセサリーで飾っている。
「この揃いの温かい茶色の髪と眼はフェティダ人のα、ファンクシュ家の特徴だ。母親がファンクシュ家の出なんだ。この長身はビランナ人の血だ」
「ビランナ人」
この場に王族が集ったのは、仲を深める懇談会ではない。ルピスの教育の一環だ。
あの男の指示というのは不本意ではあったが、ルピスはここに来た翌日から毎日、侍従によって教育を受けていた。
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