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そう言われても相手から仕掛けてきたのだからと阿澄は社長椅子に座って書類を纏めているヒカルに言い掛けたが口をつぐむ。目の前で忙しそうにしている姿を見せつけられると本当にマズいことがあったんだろうなと雰囲気で伝わるからだ。
阿澄が退治した魔女───正確には痴女は異能持ちを管理する団体も男根麻薬の存在から行方を追っていたらしい。なまじ男喰いだからこそ男の捜査官はハニートラップと麻薬のコンボに引っかかって捜査に難航していたそうだ。
そこをはぐれ事務所のぺーぺーが大金星をあげたので、組織の方は面子が潰れてあれこれ難癖がてら書類を押しつけてきたらしい。
時間をかければやり過ごせるが、それ故に時間はかかるのでしばらく缶詰かとヒカルは急な仕事に青筋をたてたわけだ。
「まあ、金はあんまり出せないから例の件教えてやるよ」
「例の件?」
「アンタも人魚書店の店長を知っているだろう? あたし
とは幼なじみの読子ちゃん」
「ああ、あのメカクレの」
「あの子がアンタが探していた人魚姫の魔女よ。だから魔女探しをしていた友人のことなら心配いらないわ」
「え、ええ?!」
ヒカルの告白に阿澄は驚いて声を上げた。
あの人が願いを叶える魔女だなんて───そんな人が身直にいるのなら憧れのあの人に思いを伝えるのも簡単じゃないかと。
「なにかよからぬことでも考えたみたいだけれど、読子ちゃんに不純なことを頼むのはよしなさい。下手したら死ぬから」
「え……」
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