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「お前、ここきて1週間くらいか?」
「あ、はい……」
真壁に聞かれて翔真は小さくうなずいた。
「なら大抜擢だな。ほら」
そう言って、先ほど読み上げたカルテと一緒に分厚い冊子を手渡された。
「これは?」
「お前がこれから担当する相手だ。言っとくが、ここじゃ一番の案件だ。彼女の機嫌を損ねるなよ。この研究に国の未来がかかってんだ」
「え……それを僕が?」
「仕事内容は簡単だ。彼女のマネージャーをやれ。彼女の仕事の橋渡しをして、彼女の体調管理や精神状態を細かくデータにまとめればいい」
「マネージャーって…僕、研究員としてここに来たんじゃないんですか?」
「今求めてるのは研究できるマネージャーだ。それが嫌なら別のヤツを雇うから早めに言えよ。言っとくが、お前を引き抜いたのは俺だ。お前の研究資料やデータ、全て見た。その上でお前ならできると踏んで声を掛けた。それぐらい重要な案件だということを忘れるな。やり始めたらもう辞めるなんて言えなくなる」
真壁はそう言って不敵な笑みを浮かべた。
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