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太陽がちかちか明滅するよう晴れと雨を交互に繰り返していた当時の私は、いよいよ焼きが回って鍵付きの病棟に閉じ込められていた。気鬱を患っていたと思って頂ければ解り易いやもしれない。
生まれたばかりの子供の世話と、ベランダから飛び降りようとする異常者な私。二つの足枷で身動きが取れなくなった彼は、已むを得ず仕事を退職していた。それは言葉にすれば容易いが、とんでも無いことである。人は働かねば生きてはいけない。
己の罪が手首から二の腕の半分に差し掛かった頃、やっと私は自分が彼を不幸にしていたことに気付き、この入院を承諾した。私の近くにいては、夫まで狂ってしまう。と。
檻の中、それはそれは悲惨な世界で、何をもってして私にとって悲惨かと云うと、自分がここにいる人たちと、同じ線の上に立っていることが、まず最も恐ろしくて震えた。私はもう人ではないのかもしれない。ここはそういう場所であった。
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