幼き頃

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幼き頃

 私は幼い頃から不思議な力を持っていました それは「霊感」と呼ばれるもの 家の天井に張り付いている 笑う男の顔 いつも神社にいる 白い服を着た幼女 祖母の家の押し入れに潜む 長髪の女性 姿は視えず 気配だけが辺りを渦巻いていることも 当時幼かった私は 恐怖よりも不思議な気持ちしか芽生えず いつも父と母 祖父と祖母 叔父と叔母 に訊きました 「あそこに居る人 誰?」 霊の存在は信じるが 霊を視ることができない家族は 「誰もいないよ」 と言うだけ そして私が寝ている隙に 「あの子 また知らない人が家の中にいるって・・」 「変なことを言う子ね」 「こっちまで怖くなっちゃうわ」 私を不気味がっていました 次第に私は思うようになりました (何が視えても 誰にも言わないでおこう) こうして私は年を重ね 力は衰えを知らず 年々強くなりながら 日々を過ごしていきました
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