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「…!? …………誰だ? あんた?」
「はじめまして。私、週刊武秋の記者をしている者でして……」
そして、突然、声をかけられ、厚顔に埋もれたちっちゃな目をパチクリとさせている悪徳刑事に、こちらの身分を口早に告げた俺はこんな提案をしてみる。
「さっきの話、全部聞かせてもらいましたよ。あ、なに、別に記事にしようてんじゃありません。その代わりといってはなんですが……俺にも一枚噛ませてもらえませんかねえ? もし胴元千代が何か言ってきたとしても、ぐうの音も出ないようにするいいネタあるんすけどねえ――」
(渡る世間は悪ばかり 了)
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