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 クラスの連中はそんな彼女を敬遠していたけど、俺は一目見た時から、その計り知れない可能性に心を奪われた。あ、恋愛対象としてでは無く。  彼女の人生を、俺の手で変えてみたい。  肌の手入れをして、髪もトリートメントして、どれだけ変われるのかを近くで見てみたい。会話下手な所を矯正出来るかは、難しい所ではあったが。  コンテストに誘うと、彼女は快く快諾してくれた。彼女はモデル、俺はプロデュース。  周りの奴らには、正気の沙汰じゃない、と笑われ続けたが、五ヶ月後の彼女の姿を見て、ほら見ろやはり無謀だったのだと笑う奴は一人も居なかった。  五ヶ月間、学校と並行して、ダイエット、スキンケア、話し方の練習。同じメニューを一緒にこなしていた俺がこれだけ大変なのだから、結果を出さなければならない本人はもっと大変だったろうと思う。壮絶な喧嘩を、何度したか分からない。  何故こんな事をしているのか、何の意味があるのかと自問する日も沢山あったが、ステージの真ん中で、優勝のトロフィーを抱き締めて泣きじゃくると彼女を見たら、苦々しい記憶すら愛しく思えた。  俺は彼女の隣でおどおどとインタビューに答える事しか出来なかったが、あの時の、何百人もの歓声と拍手は今でも忘れられない。  あの瞬間、あの空間は確かに俺達の為だけに存在していた。     
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