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桜木改造弁当。俺の母親に協力をお願いした所、快く引き受けてくれた。これからしばらく、俺と桜木の弁当はお揃いだ。
桜木はランチバッグを机の横のフックに引っ掛けると、そうだ、と呟き俺の方へと体を向けた。
「母さんに、食事管理の事頼んでみたけど、出来る限りやってくれるって」
「マジで!? 助かるー!」
「頑張りなさいって言われた」
食事管理はこの作戦の重要な部分であると同時に大きな不安要素でもあったので、桜木の身内の協力が得られた事は喜ばしい。
「つか桜木って腕立て伏せとか何回くらい出来る?」
「分からない……やった事ないから……」
「じゃあ今日の放課後、一緒に市民体育館行こうぜ。丁度体操服もあるし」
「……うん」
俺の誘いに対して、桜木は憂いた表情で頷いた。
恐らく今まで筋トレなんていうものとは無縁の生活を送って来たのだろうし、突然今日から毎日筋肉を鍛えろなんて言われて不安で当然だろう。
一緒に出来る時は俺も一緒にやるから、と励ませば、ガチガチに硬かった桜木の表情が、少しばかり和らいだ気がした。
「よっしゃー、やるぞー!」
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