２－お待ちしております、王子様

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　まぁそうは言っても雑に脱ぎ捨てているので、どれが上でどれが下で、なんて、いちいち克明に覚えてはいないけど。
　何だか今日の俺は神経質になっている気がする。疲れているのかも。
　俺は手早く体を吹き上げ、適当に頭を乾かすと、足早に脱衣所から立ち去った。

◆◆◆◆◆

「おはよ～」
「今日からまた学校嫌だ～」

　夏が終わると、新学期が始まる。
　久しぶりの再会を喜ぶ者もいたが、これからまた、一日十時間も学校に拘束される生活が始まる事に嘆きを覚える者の方が多いように感じる。
　夏休み前は真っ白だった肌がこんがりと焼けていたり、長かった髪をばっさりと切っていたり、眼鏡がコンタクトに変わっていたり、スカートがちょっと短くなってたり。
　夏休み明けの皆の変化を観察するのは楽しい。
　課外活動でたまに登校していたから、久しぶりという気分にはなれないけど。

（桜木はまだ来てないなぁ）

　桜木家に一週間宿泊した後は、メールや電話で連絡を取るくらいで、顔を合わせたのは課外活動の時くらい。
　トレーニングは絶対サボるなよ、サボったらパートナー解消だからなと釘を刺しておいたから、大丈夫、だと思いたい。報告メールもちゃんと毎日送って来ていたし。
　それにしても、夏休み中の登校日に、髪を切った桜木を見た時の皆、ビックリしてたなぁ。