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 最近は色んな奴と話してるし、よく桜木に話し掛けて来る女子達の誰かだろうか?  あの子は桜木には元気すぎるな。あの子はちょっと浮気性だから心配だな。  面接官にでもなったような気分でクラスの女子を選別していくが、きっとこの子だ! と確信を持てる程の候補は見付からなかった。  いやでも、他のクラスとか、先輩後輩の可能性もあるし、俺の知らない誰かかも。あぁ、気になる! 「ねぇねぇ! 私が相談に乗ってあげようか!」 「結構です……」  桜木の目の前に身を乗り出す田中さんに対して、桜木は田中さんが近付いた分だけ後退る。  眉間に皺を寄せた桜木は俺の方に体を寄せると、小声で「早く帰りたい」と呟いた。  桜木の好きな人が田中さんで無い事は確かだな……。  俺達は田中さんに別れを告げると、シャワールームで汗を流してから体育館を後にした。  時刻は午後七時。外はもう暗くて、行き交う車のヘッドライトが眩しい。いつの間にこんなに陽が落ちるのが早くなったのだろうかと、空を仰いだ。 「桜木って田中さんの事嫌いなの」 「嫌いって言うか……、怖い」 「何で? 美人だし、社交的で明るいしいつも笑顔で良い子だよ」 「美人だし、社交的で明るくていつも笑顔で良い子だから怖い」 「なんだそりゃ……」     
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