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「ごめん桜木ぃ! ごめんーっ!! うわあぁあ……っ!!」  床に突っ伏して無様に泣き叫ぶ俺を、桜木がどんな顔で見ていたのかは分からない。  しかし、しゃくり上げる俺の背中をさする桜木の手は、とても優しくてあたたかかった。 「一位じゃなかったから嫌なの?」 「違、違う、二位でも、嬉しいっ、皆が桜木が頑張ってたのを、み、認めてくれたから、めちゃくちゃ嬉しいっ、けど、俺がもっとしっかりしてたら、お、お、桜木は絶対一位になれたのに……っ! う、うぅうっ、ごめんっ……!」  桜木は、顔面を覆う俺の腕の隙間から手を差し込むと、俺に顔を上げるように促す。  こんなぐちゃぐちゃな顔を見せられる訳が無くて必死に抵抗するが、桜木は半ば無理矢理俺の体を起こし上げた。  それでも今の顔を晒す事だけは死守せねばと両手の平で顔を覆うが、それも容易くこじ開けられ、抵抗出来ないように壁に押し付けられてしまった。  無遠慮に見つめてくる桜木の視線から逃れるように、首の可動域の限界まで顔を逸らす。 「ううぅっ、み、見んなってばぁ……っ!」 「叶は俺が二位でも良いの?」 「……あ、当たり前だろっ、二位なんて、凄い事なんだよっ、でも、桜木なら一位に、なれ、なれたのにっ……俺のせいで……っ!」     
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