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「というわけで、今年の俺のシンデレラ、上田でーす!」 「は、はわっ! お、お、桜木先輩っ、去年の、ココココンテスト、見、ました! お、お会い出来、出来て光栄です……! よろ、よろ、よろしくお願い、しま、します!」  癒しのクラシックが流れる喫茶店の中、カフェラテを飲みながら本を読んでいた桜木に、鼻高々と上田を紹介した。  桜木から見た今の俺は、きっとマヌケなまでに得意気な顔をしているだろう。  上田は俺のファンであると同時に桜木のファンでもあるみたいで、桜木の対面に座った彼は頬を紅潮させ、見ても分かるくらいに体を強ばらせた。  今度、田中さんにも会わせてあげよう。どんな顔をするだろうか。  悪戯を思い付いた子供みたいに、ふふふと笑いがこみ上げる。  桜木は読んでいた本を閉じると、上田を見つめて、よろしく、とわずかに笑みを浮かべた。  その冷静な態度に触発され、俺のフィーバータイムもようやく落ち着きを見せ始めた。 「参加受付開始まで、上田と組む事は秘密にしたいから、桜木も内緒にしててな」 「なんで?」 「やっぱ、みんなの期待が最高潮になってからドーンと発表したいと言うか」
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