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「でも叶、今なら出来るかなって考えてなかった?」 「……う」 「図星だね」  再び、桜木が俺の唇へと吸い付いた。  こんな所で、さっきまで上田という第三者がいた空間で、こんな事をしていると思うと罪悪感が這い上がって来る。  桜木の頭の中は一体どうなっているのか。  しかし、強く拒めずに大人しく受け止めてしまっている俺も、恐らく頭の大事なネジが緩んでしまっているのだと思う。  それからは、放課後の時間を上田と過ごす事が増えた。  飯を食べに行ったり、カラオケやゲームセンター、喫茶店。二人だけの時もあれば、桜木も一緒に行動する事もあった。  他の友達と遊んだり、一人でのんびりするはずの時間を奪ってしまっているようで申し訳無くなる時もあるが、どこに連れて行っても上田は嬉しそうにしてくれるので、ついつい構いたくなってしまう。  楽しいです、とは言ってくれるが、心の底でウザイとか思われていたら泣ける。  今日は土日を挟んで二日ぶりに上田を誘ってみたが、用事があるのですいません、と、申し訳なさそうに断られてしまった。  貴重な昼休みを利用して一年生の教室のある四階まで上って来たが、無駄足だったな。 (うーん、今日は久しぶりに桜木を誘ってみようかな……)     
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