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 さっき教室を出る時にクラスメイトと話をしていたから、今もいるはずだ。  そう言えば、ここのところ上田と出掛ける事が多かったから、桜木と二人で帰るのは久しぶりだな。  最後に二人きりで帰ったのはいつだったっけ? と指を折って数えるが、十本の指ではおさまらない事に気付いて冷や汗が流れた。  体感では、四日五日くらいだと思っていたのだが……。  俺は急いで階段を駆け下りると、自分の教室へと戻った。  桜木は相変わらず、女の子達に囲まれて会話を楽しんでいる。  賑やかな雰囲気の中に割って入るのは気が引けるが、女のお喋りが終わるのを待っていたら昼休みが終わってしまう。 「なぁ、桜……」 「おい桜木!!」  俺の言葉は、苛立ったように荒げられた声に掻き消されてしまった。  俺のいる扉とは反対の扉から、その声の主である男子生徒が教室に飛び込んで来た。  眉間に深く刻まれた皺と、キツく握り締められた拳から 、彼の内で燃える怒りの炎が垣間見えた。  その男子生徒は真っ直ぐに桜木の所まで歩み寄ると、自分より少し高い所にある桜木の顔をキッと睨み付ける。  桜木にまとわりついていた女子生徒達が、気まずそうに後ずさった。 「桜木、お前、俺の彼女に手ぇ出しただろ!」 「はぁ?」     
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