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終
骨だけは馬鹿みたいに育っていくのに、少食だったせいか、その成長に見合っただけの肉がなかなか体に付かなかった。
骨の形がうっすらと浮き出た手や足は自分から見ても気持ちが悪く、特に腹部なんかは、とても他人に見せられるものでは無かった。
自分自身でも嫌悪するような見た目が、第三者に好意的な印象を与える訳が無い。
皆と身長が同じくらいの時はまだ良かったが、中学に入ってから、にょきにょきと一人だけ身長が伸びて、そこにいるだけで目立つようになった。
中学のメンバーは、九割が同じ小学校からの持ち上がりで、今更ガリガリの俺を見ても過剰に反応される事は無かったが、知り合いの一人もいない高校に進学してからが地獄だった。
何も知らない人間から見た俺の第一印象は、強烈だろう。
入学してからすぐ、一部の男子達から骸骨だ死体だなどと外見を茶化されても、反論出来ずに俯いた。自分でもそう思うのだから、仕方ない。
しかしそうやって黙っていると、俺が無視をしたと思い込み、一方的に腹を立て、所謂イジメという行為が始まった。
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