第1章

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「強力な銃器を持った襲撃者に対し、SPの負傷者は増えています。幸いにしてSP誕生以来殉職者は出ていませんが、今後もそうとは言い切れない」  瑛司を見据えたその目は、言外に、最初の殉職者はあなただと言っているようだった。  誰が死ぬか! 亮一郎を睨み返す。自分の身くらい自分で守れる。  亮一郎は顔を上げ、自分に集まる視線の中、宣言した。 「よって、今後セキュリティポリスはその機能強化を図ります。まずは私の配属された第五係より開始し、段階的に全課に徹底とします。SPは保護対象者を退避させるにあたり、その危険の排除を目的とした銃器の使用が原則的に許可されます」  会議室内がざわめいた。危険の排除を目的とした銃器の使用の許可、それは、言い換えればSPが危険と判断した場合、襲撃犯に対し先制して銃撃を行ってもよいということだ。 「ちょ……、ちょっと待ってください、SPが犯人を射殺してもいいって言うんですか?」
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