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おお、と小さく声を上げたのは羽田だ。皆興味津々なのが目を上げなくても伝わってくる。
いい武器を持ちたい気持ちが、まったくわからないわけではない。だが、やはり瑛司にとって銃は、憎むべきものだった。
アメリカ式と聞いて、犯人への容赦ない考え方の理由はわかった。だからこそ余計に、自分とは合わない。守ることと相手を殺傷することとはまったく別物だ。襲撃者を撃退しないでは保護対象者を守れないなら、迅速、そして確実に相手から攻撃の手段を奪えばいい。自分が前衛としてそれを行い、その間マルタイを退避させる、それでこれまでやってきたのだ。
瑛司は無意識に左肩へと右手を触れさせていた。
十二年前、瑛司の左肩を貫いた弾丸の傷痕がここにある。SPになったばかりのころ、少年を庇って撃たれた。
瑛司は、銃弾が与える痛みが想像を絶することを経験した。そしてそれとは別に、一発の弾丸が、ひとりの人間の人生を大きく変えることも、身をもって知っている。
そこから導き出されたのは、銃を撃つことへの忌避感だった。例え襲撃者であっても、できることなら銃を向けたくはない。
体を盾にして少年を守ったあの事件があったからこそ、瑛司は自分にも誰かを守れる手があると知ることができた。
人を守ることと、人を殺すこと。それがイコールになりそうな警護課の未来を思って、瑛司はぞっとした。
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