内閣総理大臣 指名後の夜

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「しかし、この無効票運動、やっかいですね。毎回これが続くとマスコミが騒ぎますよ。若者の政治不信が…って」 山形は首を横に振る。 「大丈夫だ」 「どうしてですか?」 「中林君。選挙に勝つために一番効率的な方法は何だと思う?」 中林は考え込む。 「有権者に負の感情を植え付けることだ」 考え込む中林に対して山形はそう言い切った。 「他の政党への怒り、他国から侵略される不安、将来飢えることに対しての恐怖、こういったものを完全に味方にしてしまえば、恐れることは無いんだ。勝てるんだよ。だから、我々に不都合なことがもし起こっても、それを上回る負の感情を煽れば、我々は勝つことができる。簡単だろう?あんな尻の青い若造たちにはそんな芸当はできんよ」 山形はそう言うと大声で笑い始めた。
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