解を求めよ

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「やめろって……うぁ……く、ど、どこまで言ったっけ」 「521。次は509だろ? 503に……499」  充郎が素数を一つ言う度に、突き上げられる。遮って俺が言えば動きは止まるのかもしれないが、充郎に中を抉られる度に俺の頭の稼働率はみるみる下がっていき、二百を切ったらもう何も考えられなくなった。考えるまでもないほど簡単な数字を、言葉に形作ることが出来ない。  イージーさなら充郎だって同じはずで、充郎の唇から素数がするする流れるように出てくるのに伴って、腰つきもやたら早くなる。手を添えられているだけなのに、充郎に握られたオレ自身も先走りを零しながらこれ以上ないほど昂ぶった。  再び名前を呼ぶようねだられて、忙しない息の合間にいつもと違う呼び名を口にする。 「み、つろ……」  充郎が熱い吐息で「さん」と囁き、オレをもみくちゃにした。生み出される湿った音とオレの中のびりびりするほど過敏な感覚に、喘ぐ以外何もできなかった。  お互い放ちあい、汗ばんだ胸を上下させる。満足そうに息を吐く充郎とおでこ同士をくっつけて、最後の2を二人でハモって苦笑した。   end
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