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岩城と記者が話をしている間に、別のロボットがスターフィッシュの背中に金属製のデブリ吸い込み管を接続した。
「スターフィッシュが削り取り、或いは切り取ったデブリの破片は、あの管を通って分別装置に送られ、放射線を測定、核種を分類したうえで放射性物質専用の保管容器に納められるのです。スターフィッシュが掃除機のノズルの役目を果たしていると思っていただければ結構です」
「準備完了」オペレーターが報告する。
「“スターフィッシュ”発進」
岩城が大きな声を上げた。
「“スターフィッシュ”発進」
復唱したオペレーターが赤いボタンを押すと、スターフィッシュは格納容器の中に下りていく。
スターフィッシュは、障害物があると本体下部の4本の長い腕が器用にそれらを切り取って、中央の穴の中に放り込んだ。その様子は、ヒトデよりカニが餌を取る動きに似ていた。
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