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巨大なモニターの一つは、スターフィッシュが8本の足を器用に動かして格納容器の中に降りる様子を上部から映し、別のモニターは、スターフィッシュの腕が障害物を取り除く様を映していた。
放送局のカメラマンは、モニターに映るものを撮影し、それが世界中の人々に届けられた。
高さ20メートルほどの圧力容器を40分ほどかけて底まで下りたスターフィッシュは、センサーに反応するデブリを4本の腕で吸入口へ運ぶ。大きな塊や容器に付着したデブリは腕の先についた回転式カッターが切断した。
「デブリ回収に着手。成功です」
オペレーターが報告すると、スターフィッシュ計画関係者だけでなく、マスコミからも拍手があった。
「これで原発事故は収束しますね」
記者の言葉に「国民の皆様には、ながらくご心配をおかけしましたが、間もなく全てが終わります」と岩城は胸を張った。
回収したデブリをどこに保管するのかという問題は残っていたが、その事に関心を示す国民は少ない。多くの国民は、マスコミがデブリを回収する生の映像を流したことに満足し、事故関連の記憶を脳細胞の奥底に封印するだろう。
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