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真由の想いがそこまでのものかはわからない。しかし、誉の久住への想いと比べられるわけでもない。他の誰とだって比べられるものでもないけれど、想いを計れる器械があればこんなに悩むことはなかっただろう。
考え込むほどに俯く誉に、向かいの久住はローテーブルに片肘をついて眉間を寄せていた。それに気付かない誉の額めがけて、久住は腕を持ち上げ中指を弾く。
「いっ…??」
思いがけない衝撃と痛みに、誉は額を押さえて反射的に顔を上げた。すると久住はふっと小さく笑って、額を押さえていた誉の手を取り引き寄せた。
「やっぱり女の方がいいよな」
久住は誉の手のひらを包むように握り苦笑いを浮かべていた。言っている意味を理解できず首を傾げ、どういうことかと促す。
「あんまりにも真由のこと考えてるから。…後悔してるんじゃねーの？」
何が、とは言わなかったが、それだけで理解する。
「なっ…で、そうなるんだよ！」
あまりにもな言葉に驚いて、誉は久住の手を振り払った。
いつだって久住のことばかり考えていた。
真由に気持ちを伝えられても心は動くことはなかったし、動くはずもなかった。
それだけ想って、久住ただ一人に向けて想いが伝わるように、さっきも伝えたはずだ。
「まさか…、気付かなかった？」
「何が？」
「…いや、なんでもないです」
誉は顔を覆い隠し深いため息を吐いた。
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