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「特別室で生活する三週間、無断欠席、遅刻早退は拘束期間の延長となる。尚かつ、期間終了時のテストを全員八十点以上取らないと連帯責任だ。真面目に授業を受けていたら点を取れるはずだから、しっかり頭に入れるように」  恐ろしいことをさらりと述べると、塚本は教卓に添えられていた椅子に腰掛けた。  これはまずい。  連帯責任という響きが誉の両肩にずっしりとのしかかる。  テストを受ける前から八十点以上取れる気が全くしない。  ただでさえ授業を遅刻や早退したりとサボりがちだったのだ。ぎりぎり赤点を逃れることは出来ていても、追いつくのがやっとが現状である。良い点を取ろうという気力もさっぱり湧かなかった。 (連帯責任のすべてが俺のせいになったりして…)  嫌な想像に誉は頭を抱えた。  そして唐突に、高校進学時にはあった目標を思い出した。  大学進学。  峰石家は基本的に放任主義である。各々が目標を立て、それに向かって努力を怠らない、その基本があるのなら両親とも小言を言うことはなかった。  誉自身も目標を立て、それに向かいレベルアップしていくことがとても好きだった。努力した分だけ自分に返ってくる、それが形になって表れてくると、さらにやる気に繋がった。     
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