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 少しだけ楽になった気がする。ずっともやもやと胸の中でわだかまっていたことが、外に吐き出したことで軽くなったようだ。  不思議である。常日頃ことあるごとに嫌だ嫌だと思っていたこの仕事が、遥夏に思っていることすべて話しただけで、僅かながらも前向きになれた。  吐き出せばよかったのか、とようやく気付いた。ただ心の中で嫌だと訴えても、誰にも伝わらないのなんて当たり前だ。上手く言葉が選べなくても、考えていることを言わなければ伝わらない。そんな単純なことにも気が付かなかったのは、家族だから、姉弟だからと胡座をかいていたのだ。  途端に過去の自分が腹立たしくなった。あのときちゃんと周りに考えを伝えていれば、今こんな状況にならなかったはずだ。根源はそこにある。  たられば想像をしてもどうにもならないのは学習した。 (とりあえず)  この仕事が終われば自由になれる。学校への対応も一人で抱え込まなくていい、そう思えば乗り越えられそうな気がした。少なくとも遥夏の援護があるのだ。これ以上の味方はそうそういない。  思い返せば、昔から誉が本気で困っていたり辛い目に合っていると、いつも一番に駆けつけるのは遥夏だった。     
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