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悔し紛れにそう言いながらも、嬉しさで声はどうしても上擦ってしまう。
「あほか。現に危ない目にあってんだろうが。いまどき小学生の方が危機管理高ぇよ」
久住に鼻で笑われ、心配ではなく馬鹿にされているのだと気付き内心がっくり項垂れる。
(そんなに都合良く思ってくれるわけないよな…)
男同士で何を求めてるんだと叱責し、誉はこの関係を改めて感謝することにした。
友人ですらなかったのだから、こうして隣を歩けるだけでも幸せなのだ。過度な期待はしない。求めない。
「…雨、止んでたんだ」
二人並んで大通りを歩いていて、ふと気が付いて空を見上げてみれば星こそ見えないものの、バイト前に降っていた雨は止んでいた。
「…そうだな」
久住もちらっと空を見上げ、手に持っていた傘に視線を落とすと、複雑そうな表情で頷いた。
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