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 言いながら、久住と居られる時間の短さに気持ちが沈んでいく。それを見て加藤はどう思ったのかうんうんと頷き誉の頭を撫でた。 「あんな厳ついのが居たら気も滅入るよな。悪いヤツじゃねーんだけど分かり辛いし。あ、しかもこの間なんてアイツ、峰石に会わせてくれなかったんだけど」  門番かっつーの、そう言うと加藤は苦笑いしたのだが、誉にとっては寝耳に水な話に首を捻る。 「ごめん、それどういうこと?」  「なんか分かんねーけど〝用のないヤツは来るな〟の一点張りで。アドレス知ってるならそれで連絡取れとか言われてさ。でも俺、峰石のアドレス知らねーからどーしよーもねぇじゃん?」  誉が尋ねると、加藤はズボンのポケットに手を突っ込み少し不貞腐れ気味に答えた。  そうだった、と思い出す。  小学生のときの一件以来、不必要に他人とかかわるまいとしてきたため、よほど必要にかられない限りのらりくらりとアドレス交換することを避けてきたのだ。  加藤も初めは社交辞令的に誉に訊いてきたことがある。誉が話を躱すとあっさり身を引き、以降アドレス交換の話は出なかった。だからすっかり忘れていた。 「てことで……そろそろアドレス交換しませんか?」  加藤はポケットに突っ込んでいた手を出して、にやりと笑ってスマートフォンを掲げて見せた。     
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