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 先ほどと同じような行為なのに、肌を辿る手と唇が、今度は丁寧に触れた。まるで怖がらせまいとあやしているようだ。  誉は溢れそうになる声を必死で飲み込み、震える息を細く吐く。覆われた瞼が暖かくて益々震え、息は引き攣れる。 「っ…ひっ」  ふっと瞼から温もりが消え、誉はゆっくりと瞬く。久住と目が合い、後悔した。 「おまえも俺も、大馬鹿だ」  苦々しく吐き出した久住は、後悔や憐みを浮かべることはなかったが、その代わり、無表情に誉を見下ろしていた。ほの昏い眼差しに息を飲む。  何の感情も読み取れないことが、こんなにも不安で恐ろしいものだと知らなかった。  感情をむき出しにぶつけられ、詰られる方が考えていることが分かる。何も分からないことは、知らない人と対していることと変わらない。  初めてこの行為が怖いと感じた。  思わずあと退る誉に、久住は逃げられないよう四肢を絡めると、誉の腰に自身の硬くなったものを押し当てて揺らす。同じ男だからどうしたいのかわかるものの、一度怖さを感じてしまうと心が追いつかない。  戸惑うあいだに、誉の太腿に手を這わせ膝裏を掴むと、久住は割り開くように持ち上げた。     
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