バイトなんじゃー

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バイトなんじゃー

帰りのHRが終わってすぐ、優希が話しかけてきた。 いつものやつだ。 「美咲さーん、バイト?」 「うん、お前は?」 「バイトー、4時9時だよ。めんどくさい。」 4時9時……5時間か。 アイツが働いてるのはスーパー、しかもレジ。 それはそれはご苦労なこった、大変そうだなぁ。 「美咲さんはー?」 これ、時間言ったらバレるやつじゃね。 バーとまでは行かなくても、水商売とか、そこら辺なのはバレなくもなくもなくもないよな。 ないの数に意味は無いぞ。 「おれは4時間ー。」 「ずっりー。何時からさ。」 いやくそ、せっかく時間にとどめて逃げようとしたのに。 こういうときに優希は鋭いからな。 逃げようとしてるがバレてるのか……? ここは、あれしかないな。 「ヒ、ミ、ツ」 「きっも、ないわー。」 「んだとコラ、ひでぇー。」 笑いながら貶されたぞ。 コレで笑ってなったら心が折れていた。 ありがとう笑顔。 「マジで何時?」 なんか今日はしつこいな。 もういっそ言った方が早いのでは、と悪魔が囁く。 脳内会議の勃発だ。 左からは悪魔。 他のやつも居酒屋とかでバイトしてるんだ。言っても大丈夫だろ。 右からは天使。 優希はイツメンだし、ほかの5人に言っても引かれないし、広められもしないよ。大丈夫。 うん、うん……。 言ってること同じじゃね? 脳内は言ってしまえと大声出していた。 まじか、言うべきか…… 悩んでいると、優希が訝しげな顔をしているのに気がついた。 「まさか、やっぱキャバ嬢?」 なんでそーなった ありえねぇよ、と言いながらチョップをかます。 てめぇ、そんなにおれがふしだらな女に見えるのか。 こんなにキャバ嬢だと言われるなら、バラした方がマシな気がする。 が、我慢……時、時間だけなら……。 「7時から……。」 「し、7時ぃ!?なしたそんな時間。そっから4時間て……11時!?」 「ご察しの通り、お酒を取り扱うところでございまする……」 「やっぱりキャバ嬢だったの……」 「なんでや!ちげぇよ!!」 やっぱりそっちいくんか!そんなにおれキャバ嬢にみえるの!? 逆にビビるわ!
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